2012年6月9日土曜日

天地返し


今日は今年の1月21日「大寒」に仕込んだ(いわゆる寒仕込み)我が家の味噌の天地返しを行いました。天地返しとは熟成のムラをなくすため、味噌樽のなかをまぜ返すことです。その時期については4~5月と8月の2回など諸説あるようですが、我が家では昔から6月の1回と決めているようです。写真はすでにすくってしまった後ですが、表面にはカビが少しでます。白いものは良いらしいのですが黒いものは腐敗菌ですので除去します。


一度ボールに味噌樽の中身を全て出し、上の方をすくったものから再び樽の中へ戻していきます。この際、だんごをつくってエイっ!と樽の中に投げ込みます。こうすることによって空気が抜かれ、しっかりと発酵が進むそうです。この後、表層やふちまわりに塩をかるくまぶしラップをして封を結び「天地返し」の完了です。熟成が進むにつれて当然味も変化していきますが、冬になったらひとます今年の自家製味噌を楽しむことができます。

ちなみに、味噌の起源でもある発酵食「醤(ひしお)」は縄文時代から作られていたそうで、日本の気候が大豆を発酵させるのに適していた証拠でもあります。今でこそ健康食品として認知も広まりましたが、改めてその薬効を示せば、リノール酸やサポニンによる高血圧、ガンへの効果はじめ、イソフラボンやビタミンEによる血液浄化効果、肝臓の解毒促進、各種ビタミン、アミノ酸なども含まれ日常に蔓延する風邪や下痢、頭痛などに対しても有効であると言われており、まさに医者泣かせの究極の一品!最近では広島での被ばく経験医師の助言などもあり放射能排出食品としても注目されていますね。ほとんど形も変えることなく、日本人の健康を支え、意識形成にまで関わったと言っても過言ではない味噌は改めてすごい!あまりに日常的に触れすぎて意識しないけど、この文化を誇りに思うし大事にしていきたいと思う次第です。


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